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小学館

吉祥天女 (2) (小学館文庫)

オススメ度: 5/5 Point(s)

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発売日: 1995-02 ASIN: 4091910076

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ユーザーレビュー

男だとか女だとか 5/5 Point(s)

主人公、叶小夜子が美貌と超能力ともいえる頭脳で自分をおびやかす人々を裁いていくという、一読すると痛快活劇のような話。
しかしその本質は、小夜子の凄まじいまでの攻撃性と保守性を17才という少女のなかでもてあまし、
最後は小夜子自身が思い描いていたと思われるシナリオとは少し違う結末を迎えてしまう…
女だから男より弱いという固定観念(現代にはもうあまりないけど)を見事に覆すこの作品。
年相応の傷つき易い心を持つ友人を羨ましく思う反面、強靭な精神力で自分の置かれている弱い立場から一転、
自分と自分の家を守った小夜子。
強い女の理想像そのものだが、決して幸せと言えない所に物語としての公平性がある素晴らしい作品。

広く薦められる傑作 5/5 Point(s)

(上下巻合わせてのレビューとなります)

この本は、吉田 秋生のコミックの中でも最高傑作の一つではないでしょうか。

上巻は、どちらかと言うと、従来の吉田の学園モノ風に、しかし若干の下巻のドラマを予感させながら進み終わります。
少しずつ、いつもの吉田の作品と異質の、なにかオトナの黒さが、主人公の少女を仲介にかもし出され、後半に興味が湧きます。

下巻は、とてもダイナミックに進む。
救いのないようなメインのストーリがありながら、いつもの吉田ファミリーとでも言うべき、明るく、未来に輝く、傷つきやすい高校生や若者が配置されている。
おかげで、その点で暗くなりがちの絶望的なストーリーに救いがあります。

これは、初出が少女コミックであることに驚きつつ、なるほど、小学館漫画賞をとるだけのものはある、と唸ってしまいます。
若者から、コミックに抵抗があるかも知れない中高年齢層まで薦められる傑作と言えるでしょう。

真の悪者 5/5 Point(s)

この作品に出会ったのは小学一年のとき、母の実家ででした。
自分が生まれる前に連載していたマンガ、どれだけ古臭いのだろうかと暇つぶし程度に読んでいたのですが、内容はあまり理解できていないながらも不思議な感覚に囚われて数年経っても忘れられずにいました。
そして最近、成長してから読んだ『吉祥天女』は衝撃的でした。

私が今まで読んできたマンガは「誰が悪い」というのが明確なものばかりで、特に自分で考えなくても勝手に悪者があぶり出されてゆくのですが、この作品に限っては様々な人を手にかけて、最も悪いと思われる小夜子がとてもかわいそうに思えてきます。

なぜ17歳の女の子がそこまで冷たい人間にならなくてはいけなかったのか…またなぜ涼もあそこまで大人にならなくではいけなかったのか。
10代の心の純粋さを考えると胸が痛くなります。
色々なことを考えさせられる作品です。

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